リユース! ジャパン プロジェクト

Interview

「イクメン大使」に聞く!
ムーミンの国、北欧フィンランドのリユース

インタビューメインビジュアル

森と湖の国フィンランド。サンタクロースやムーミンのゆかりの地としても知られています。人口約540万人、およそ北海道の人口ほどのフィンランドでは、リユースは子供から老人まで当たり前のこと。リユース事情について、フィンランド大使館 参事官であり「イクメン大使」として子育ての本を出版されている、ミッコ・コイヴマー氏に伺いました。

毎日開催! ヒエタラハティのフリーマーケット

フィンランド人にとってフリーマーケットは当たり前のことです。街でも田舎でも、農村でもどこでもやっています。
人々はいろんな理由で参加しています。お金になる、ということももちろんありますが、ほとんどの人は物を捨てないため、リユースのためにやっています。

ヘルシンキ市内にあるヒエタラハティのフリーマーケットは一番有名で、日本人の観光客も訪れます。5月から9月は月曜から日曜まで、毎日フリーマーケットが開かれています。ただし、夏至祭の数日はお休みです。というのも、みんながお休みを取り、街に誰もいなくなるためです。それ以外は、毎日やっています。
出品するには場所代としてお金がかかりますが、このフリーマーケットを維持し、継続していくために充てられています。

また、フィンランド国内のフリーマーケットの情報を集めたサイトもあり、40都市579カ所のフリーマーケットの開催情報が紹介されています(2014年5月現在)。とても多くのフリーマーケットが開かれています。
フリーマーケット

誰でもどこでもフリーマーケットを開ける日

クリーニングデイ」のことですね。これは、フィンランドで2012年に始まったイベントで年に2回、5月と8月の最終土曜日に開催されています。
この日は、誰もが、個人や誰かと一緒に、組織や会社、街全体などいろいろな単位で、不要になった物をどこでも自分の好きな場所で売ったり、あげたりします。庭先や、会社、街中、いろいろなところでです。このイベントに協賛しているパートナーの提供する場所で売ることもできますし、自分の開催場所をイベントの公式サイトに載せ、みんなに知らせることもできます。
また、売れ残った場合は、地域のリサイクルセンターに持っていくことができるので、不用品を自宅に持ち帰る必要がありません。

今年5月24日のクリーニングデイでは、フィンランド全土の5000カ所以上でフリーマーケットが行われ2万人が参加しました。毎年拡大しています。地域交流の場としても活用されていて、「隣の人はこういうものが要らないんだ」と思って買ったりしています。
日本でも鎌倉で開催され、その中のイベントで、フィンランドの映画「365日のシンプルライフ」が上映されました。この映画は、青年が自分の持ち物すべてを倉庫に預け、1日に1つだけ自分にとって必要な物を取り出すのですが、物にあふれる生活について考えさせられます。
ミッコさんとフィンたん

リユースボックスについて

大きなスーパーの近くや、ゴミやリサイクルの収集場所の近くなどに、要らなくなった服や靴を寄付するボックスがあります。運営する大きな団体のひとつ、「UFF」のボックスは、フィンランドの320ある自治体のうち200以上に導入されています。
使い方はシンプル。家庭で不要になった洋服を洗濯して破損していないか確認し、汚れないようにビニールの袋に入れてボックスに入れます。寄付なので、お金など見返りはありません。「捨てるならほかの人に使ってもらえる方がうれしい」という気持ちで、フィンランドでは人気があります。
2012年は、9000トンの洋服が寄付によって集まりました。集まった服は業者を通し、フィンランドだけではなくバルト海諸国やロシア、一部はUFFが運営するストアでも売られ、利益は寄付されます。洋服をアフリカなどに送る場合もあります。
そのほかには、教会が運用する回収ボックスや、赤十字でも箱ではないのですがリユース品を受け付ける場所がオフィスなどにあります。

私はよく引っ越しをしましたが、住んでいる近くにボックスがあるときも遠くにしかないときにも、リユースが好きなので不要な服をこのボックスに入れていました。
ミッコさんとフィンたん

教育の中でのリユース

私の二人の子供はまだ小さいですが、物をだいじにすることを教えようと思っています。食べ物は食べられる分だけ取って捨てないとか、おもちゃは壊れないように遊んでとか。
フィンランドでは学校で配られる教科書も新品に交じって古い、リユース教科書が配られることがあります。もらった時にすでに書き込みがあったりするのですが、翌年には要らないものになるので新品だともったいないですよね。

日本に住んで思うこと

日本に越して、フリーマーケットが少ないことに驚きました。日本は文化も古いのですが、骨とう品屋さんが少ないですね。骨とう品はどこかに隠しているんですか?(笑)
日本のペットボトルのリサイクルシステムやゴミの分別、コンビニエンスストアやスーパーのゴミの回収などは素晴らしいです。ヤフオク!もリユースの方法として、とても便利です。私も、ヤフオク!で自転車と北欧のデスクを売りました。日本ではこのような制度やシステムが整っていると思うのですが、フィンランドではリユースやリサイクルに対する個人の価値観や意識が高いと思います。物の大切さについて、たくさん話しています。「もったいない文化」や「捨てない文化」は当たり前です。おじいさんとかは、古い食器などをずっとだいじに使っています。
また、世界のどこでも同じかもしれませんが、男性より女性のほうが、特に赤ちゃんのいるお母さんはリユースやリサイクルが上手ですね。
ミッコ・コイヴマー
ミッコ・コイヴマー2010年、駐日フィンランド大使館の参事官として日本へ赴任。2013年、「フィンランド流 イクメンMIKKOの世界一しあわせな子育て」を出版し、「イクメン大使」としても活躍。男性育休取得率8割の北欧フィンランドの子育て支援やイクメン事情、自身の経験を紹介している。仕事が終わると、友人を通じて手に入れた中古の“ママチャリ”で子供のお迎えに。