女優 山口智子が語る"美しいもの"  REUSEしていけることへの責任と楽しい一歩を踏み出すとき

BS朝日 「LISTEN.」という番組を通して彼女が感じた、好きなものとの向き合い方・美しいものとその儚さ・伝統と繋いでいくことの大切さについて語っていただきました。

「欲しいものに責任を持とう」という結論

-BS朝日の『LISTEN.』、拝見しました。登場する方々の音楽に対する思いやそのルーツが、ストレートに表現されていてとても感銘を受けました。このような番組を作ろうと思われたきっかけはなんだったのでしょう?

てもシンプルな欲求です。自分が欲しいと思うものが欲しい、見たいと思うものを見たい、知りたいことをもっと知りたい。それに尽きます。

「REUSE(リユース)」というテーマにも通じることかもしれません。地球が変化しつつある今、誰もがきっと、「地球の一員として何ができるだろう?」と考え始めているんじゃないでしょうか?

でも実際に行動するとなると、何から手をつけていいかわからない。何から一歩を踏み出すべきか? 私自身心に浮かんだのは、「まずは欲しいものに責任を持とう」ということでした。ただ周りからあてがわれるものを消費するだけではなく、本当に欲しいと思えるものを、長い時間をかけてずっと大切にしていけたらいいなと思いました。だから自分の欲求には責任を持って、勇気を持って正直でありたいと思います。「こんなものが世の中にあったら幸せだな」という思いを声にして、ちゃんと作り手に伝えたり、生み出される過程に意欲的に参加したり。好きなもの、美しいもの、かっこいいもの、自分の中から湧き上がるポジティブなサインに本気で耳を傾けて、イエス・ノーをハッキリさせること。心から欲するものを、とことん楽しんで愛でていったら、無駄なものや必要ないものは自ずと淘汰されてゆくんじゃないでしょうか。楽しみながらの選択なら続けてゆけるし、ハッピーなオーラは人にも伝染してゆくと思います。

は「テレビ」という世界で育てていただきましたが、小さいころからテレビを見て夢を抱いたり、「明日もがんばって生きていこう!」と力をいただいたり……。そして、テレビに関わる大人となった今、テレビへの感謝の気持ちも込めて、夢ある作品を生み出す責任を感じます。世界はなんてステキなんだろうと思えるものを創る仕事がしたいなと思います。でも本当に欲しいものは、ただ待っているだけじゃ形にならないから、一から動き出すことにしました。

何でもいいのではなくて、欲しいのか欲しくないのか? イエスなのかノーなのか? 自分の心の声をしっかりジャッジしてあげないと、激変する世のスピードに流されてしまう。無難なものとか、当たり障りのない中途半端なものばかりに牛耳られてしまう。手間や時間はかかるけれど、本当に良いものがどんどん世の中から消えてしまう。エンターテインメント界も同じで、一時の流行や視聴率だけに惑わされて、バラエティーに富んだ個性的なものがテレビから姿を消してしまったらとても悲しい。

山口智子氏

-なるほど。そういう強い決意があってのことだったんですね。
『LISTEN.』は音楽が題材になっていますがなぜ音楽なのでしょう?

は音楽の勉強をしたわけではないですが、世界各地の風土に育まれた、その土地ならではの歌や楽器や踊りが大好きです。音楽は人類の共通語でもありますよね。何語をしゃべろうが、美しい歌やリズムの感動は、一瞬にして地球人みんなでシェアできる。映画『未知との遭遇』では、異星人とのコンタクト手段が音楽でしたね。宇宙の共通語ともいえますね。

『LISTEN.』のもう一つのテーマは「ボーダレス」です。音は、水や空気と同じように壁や境界線を軽々と乗り越えて互いに結びついてゆきますよね。その勇気に学びたいと思いました。そして世界のすばらしさを、知識として頭で知ったつもりになるのではなく、音を通して“体感”してゆきたいなと。

専門知識などなくても音楽を入り口に、まだ見ぬ世界の美しさや人々のすばらしさ、たくさんの感動に出会ってゆける。音楽は、説明や解説で凝り固まった狭い視野を広げてくれます。番組のタイトル“LISTEN.”には、「耳を傾ける」ことへの思いが込められています。耳を傾けるとは、ちょっと一息ついて相手に心を開いて、相手の言葉を受け止める。とてもすてきなアクションですよね。まずは耳を傾けることから相手へのリスペクトや憧れが生まれてくるのではないでしょうか。互いにもっと耳を傾け合ったら、世界平和も遠くないと思えるのですが。

山口 智子 Yamaguchi Tomoko 生年月日:1964年10月20日 身長:170cm 出身地:栃木県 血液型:A型 趣味:映画鑑賞

公式サイト:http://www.ken-on.co.jp/yamaguchi/