想いのある「モノ」を語る モノSTORY ミュージシャン 世良 公則 さん アコースティックギター

モノを主役に、モノにまつわるストーリーや想いを語る「モノSTORY」。 第5回ゲストは、世良 公則さん。音への熱い想いをお持ちの世良さんが大切しているモノとそのモノへの想いとは。 あなたも、自分にとって大切な「モノ」と向き合ってみませんか?

世良 公則 さんモノSTORY

01. Kalamazoo(カラマズー)との出合い

今から20数年前、それまでやってきたヘビーでハードなロックサウンドという自分の代名詞のような音楽スタイルを一度脱いで、アコースティックギター1本で音楽を始めたころの初期衝動に立ち返りたいと思ったときに出合ったのが、このKalamazoo(カラマズー)というギターです。
これはギブソンのミシガン州カラマズーにある工場で1950年代の初頭に生産されたモデルなんですが、ギブソンのセカンドラインにあたるものだからそんなに高価なギターじゃないんですね。これを見つけた楽器店に、たまたまギブソンの同型モデルといっしょに展示されていて、弾いてみたらこっちの音色が気に入ってしまったんです。そのときに思い描いていた「こういうライブをやりたい」「こういう音を出したい」の「こういう」の部分を的確に表現してくれて、その空気まで醸し出してくれたギターなんです。

02. ライブでも使ったが......

アコースティックのライブを始めた当初は、このギターもほかの何本かのアコースティックギターとともにステージに登場していました。ただ、年令でたとえると僕より先輩にあたるわけで、やはり古いから脆い。決して高価なギターではないのだけれどスタッフが壊しちゃいけないと怖がるわけです。また、今のギターと違いネックが太いものだから、これで2時間も演奏すると握力がなくなってしまうくらいしんどいんです。今ではステージは後輩のギターたちに任せ、この方は悠々自適に、事務所で僕がライブのセットリストを作ったりアレンジを考えるときにつきあってくれています(笑)。
ネックが太いと言いましたが、それで演奏しづらいならネックを削ろうかとか、弦高を下げようかとか毎年話題にはあがっていたのですが、そうすることで出合ったときの音じゃなくなってしまい、それとともにそのとき感じたひらめきまで薄まってしまうのではないか、という思いにとらわれオリジナルのままにしています。

03. 楽器が作らせる音楽がある

初めてギターを手にしてコードを覚えて、自分で曲を書くようになり、人に聴いてほしいと思うようになった高校生の頃の初期衝動。原点回帰のようにそこに戻りたいと思ったときに出合ったこのKalamazoo(カラマズー)ですが、楽器っておもしろいもので、そのときそのときのギターによって演奏させられたり、曲を作らされたりするんですね。やさしい音色のギターに出合うとやさしい曲が生まれたり、ガツンっとハードな音が出るギターに出合うとハードな曲が生まれる。また、ほかのミュージシャンの方と組むときに新しいギターを入れると、それまでなかった新しいエレメントが生まれたりします。そういった意味においても、僕の音楽にアコースティックギターは欠かせません。それと同じくらい大事なのは、最初にお話しした20数年前ハードなロックサウンドの鎧を外し、役者としての露出も控え、アコースティックギター1本でいきたいと言ったとき、このKalamazoo(カラマズー)と共に、「いけますよ!」と言って僕の背中を押してくれ、今でも「(ステージを作るのが)楽しくてしょうがない」と言ってくれるスタッフのみんななんです。

世良 公則

1977年11月25日シングル「あんたのバラード/世良公則&ツイスト」でデビュー。「燃えろいい女」等ヒット曲を連発。1978年7月発売のデビューアルバム「世良公則& ツイスト」はオリコン1位を記録。日本のロックバンドとしてアルバムが、チャート1位を記録したのはこのアルバムが初めてでロックをメジャー化するパイオ ニアとなった。1981年末にツイストを解散。その後はソロとして音楽活動を開始。ソロ活動開始以降は映像の仕事も併せて始める。

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世良 公則 ANNIVERSARY YEAR 2015

盟友・野村義男とのユニット「音屋吉右衛門」、待望のニューアルバムが発売中!
「ANNIVERSARY YEAR 2015」として、精力的に音楽活動を行っている世良さん。
盟友・野村義男さんとのユニット音屋吉右衛門が、待望の第2弾アルバム「オトコノウタ」を8月発売しました。大阪で開催されたライブを収録したこのアルバムは、アコースティックギター2本だけで演奏、歌唱された圧巻の内容になっています。このアルバムリリースライブをはじめ、10月よりライブ活動を積極的に行っていきます。
9/16には、世良公則feat.つるの剛士「いつものうた」がリリースされました。作詞・作曲は、奥田民生さんというとても豪華な内容です。
巨匠監督 板屋宏幸氏によるMVもぜひご確認ください。
また、2016 年も引き続き積極的なライブ活動を予定しており、その第1弾として5年ぶりにGUILD9での公演が決定しました!

世良 公則 ANNIVERSARY YEAR 2015 特設サイト(外部サイト)

リユース! ジャパン プロジェクトより

来年「還暦」を迎える世良公則さんですが、衰えることを知らないその声量とパワーには圧倒されます。
40年に及ぶキャリアのなかで、ロックシンガーとして俳優として成功を収めてきた世良さん。近年では陶芸にもその才能を発揮され、生み出す作品は玄人はだし。どんなことでも自分なりに極めようとする姿勢には感動すら覚えます。
今回は慈(いつく)しむように大事なモノを紹介してくださり、誌面の都合上お見せすることはできませんが実際に演奏もしてくださいました。

自らのキャリアのターニングポイントに出合った、「相棒」ともいえるギター。これからもそのギターから生まれるメロディーとともに。パワフルかつ情感たっぷりの歌声を聴かせ続けてほしいと思います。
リユース! ジャパン プロジェクトとは?

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