誰かのためにという思いが、勝利へのモチベーションになる 福岡ソフトバンクホークス和田毅選手スペシャルインタビュー

1月17日にスタートする『野球で、人を救おう。by ベースボール・レジェンド・ファウンデーション』に、今年から日本球界に復帰する福岡ソフトバンクホークスの和田毅選手が「直筆サイン入り使用済みスパイク」を出品。今回は、10年前から開発途上国の子どもたちにワクチンの寄付を行っている和田選手に、「社会貢献」と「リユース」についてお話を伺いました。

社会人になったら寄付活動をしようと決めていた

子供の頃、赤い羽根やベルマークを見かけたときに、「こういう活動はどんな団体がやっているんだろう」「集まったお金は何に使われているんだろう」といつも思っていました。自分なりにいろいろと調べていくうちに、そういった社会貢献活動のしくみを少しずつ理解するようになり、高校生の頃には「大人になってお金を稼ぐようになったら、何か寄付活動をしよう」と思うようになりました。仕事がプロ野球選手でなくても、社会に出たら何かやろうと決めていたのです。

プロ野球の世界に入ってみると、選手たちがいろんな取り組みをしていることがわかりました。表に出ていないだけで、みんな結構やっているんだな、と。一年目は自分の野球のことで頭がいっぱいでしたが、二年目に「何か、誰もやっていないような取り組みってないですか?」と球団に相談し、自分でも調べてみたところ、ワクチンが足りない国があることを知ったんです。
 
開発途上国では、多くの子どもたちがワクチン不足のために命を落としているそうで、その数は一日に6000~7000人(当時)とも言われていました。日本で当たり前に受けられる予防接種が受けられないのです。であれば、投球ごとにワクチンを寄付することはできないかと思い立ち、「世界の子どもにワクチンを 日本委員会」(JCV)に協力を要請して、活動を始めることになりました。

寄付することで生まれた勝利へのモチベーション

これは自分で決めたルールなのですが、一球投げるごとに10本、勝ったら一球ごとに20本、完投したら一球ごとに30本のワクチンを寄付することにしました。つまり、100球投げたら1000人の子どもの命が助かる可能性が生まれることになる。勝てば2000人、完投すれば3000人。僕が結果を出せば出すほど、助かるであろう子どもの数が増えるのです。
 
お金を寄付する形での支援ももちろん素晴らしいですが、こうやって投球数に応じた寄付だと自分も実感しやすい。僕にとっても、野球をやる上で大きなモチベーションになりました。まず、僕が投げないと始まらない。投げないと何も貢献できないですからね。アメリカにいた間は休止していましたが、日本球界復帰を機にまた再開する予定です。

活動はどんどん発信し、課題を認知させていくことが大切

メジャーリーグでは、自分が過去に克服した病気の患者を支援する選手が何人かいました。とても印象的でしたね。実体験に基づいた取り組みですから、その選手の思いは相当なものなんだろうなと思いました。 
  
日本では慈善活動がひっそりと行われるケースが多いですが、アメリカでは「俺はこんなことをやってるんだ。みんなで助け合おうよ」みたいな感じで、パーティを開いたりして積極的に啓発しているんですよね。ただのパーティなんですけど、そういう機会を経て認知度も高まる。そのメリットは大きいですよね。 
  
このような活動をしている選手たちは、みんな誇りを持って取り組んでいました。日本だと「自分から言うことじゃないし」と気にしてしまう人もいるみたいですけど、僕はどんどん公に発信していいと思うんです。社会にはこういう課題があって、助けを必要としている人がいるということを、世の中に知らせることも大事ですからね。

職人さんの気持ちを感じるからこそ、野球用具は大切にする

僕らが使うグローブやスパイクは消耗品なので、いつかは取り換えるときが来るわけですけど、道具一つ一つ、職人さんが一生懸命作ってくれたものだという意識は常にありますね。きっと職人さんが「頑張ってほしい」と気持ちを込めて作ってくださっているのだと思います。  
   
アメリカの選手たちは「道具は道具」とドライな感じがしましたが、日本人選手は「自分のために作ってもらった」という感覚が強い。だから僕も、スパイクのかかと部分を踏んで歩いたり、グローブを投げたりすることはしません。作ってくれた職人さんの思いは大事にしたいですからね。  
   
僕の場合はスパイクの革が緩くなると投げる感覚が変わるので、だいたい3~4試合ごとに交換します。選手の中には修理しながら年間を通して同じ用具を使う人もいるし、頻繁に交換する人もいます。ですから、同じ使用済みアイテムであっても、新古品のようなものもあれば、中にはニオイまで染みついたボロボロのものもあるかもしれません(笑)。いずれにしても、チャリティーオークションという社会に役立つ形でリユースされるのは、選手にとって喜ばしいことだと思います。

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和田選手が協力しているプロジェクト「野球で、人を救おう。」の詳細はこちら

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